法改正の試験対策は、とても重要です。
なぜなら、試験には必ずと言っていいほど法改正の問題が出るから。
きんざいのFPの試験は、2022年9月に受験する人は2022年4月1日、2023年1月に受験する人は2022年10月1日の法律を基準に問題が出題されます。
>合わせて読みたい【2023年(令和5年)の法改正】 FP3級・FP2級共通 試験対策
今回は、2022年9月と2023年1月にFP3級とFP2級を受験する人向けに、2022年(令和4年度)の法改正点を紹介します。
- 最新2022年(令和4年)の法改正 FP3級・FP2級共通 試験対策
- 後期高齢者の医療費の窓口負担割合の見直し(2022年10月)
- 育児休業等期間中の社会保険料免除要件(2022年10月)
- 育児休業制度(2022年10月)
- 産後パパ育休(2022年10月)
- 短時間労働者の適用拡大(2022年10月)
- 令和4年老齢基礎年金の満額
- 子の加算額(2人目まで)
- 国民年金保険料(月額)
- 国民年金手帳
- 年金生活者支援給付金の支給金額
- 児童扶養手当(第1子月額)
- 老齢年金の繰下げの上限年齢
- 老齢年金の繰上げの減額率
- 確定拠出年金の受給開始の上限
- 在職老齢年金60歳~65歳未満の人の支給停止基準額
- 加給年金
- 出産育児一時金
- 育児・介護休業法
- 傷病手当金の支給期間
- 教育一般貸付の返済期間
- 成人年齢の変更
- 市場区分の見直し
- 会社法改正点(2022年9月)
- 宅建業法の改正点(2022年5月~)
- 住宅ローン控除
- 直系尊属からの住宅資金の贈与額の非課税限度額
- 個人情報保護法(2022年4月1日施行)
- まとめ
最新2022年(令和4年)の法改正 FP3級・FP2級共通 試験対策
2022年の法改正点です。
試験に出そうなところを紹介しますね。
後期高齢者の医療費の窓口負担割合(2022年10月) | 1割→2割 |
育児休業等期間中の社会保険料免除要件(2022年10月) | 14日以上の育児休業等を取得した場合、当該月の月額保険料が免除 |
育児休業制度(2022年10月) | 分割取得×→分割取得〇(2回まで可) |
産後パパ育休(2022年10月) | 育休とは別に取得可 |
短時間労働者の適用拡大(2022年10月) | 適用事業所の被保険者数501人以上→101人以上 |
老齢基礎年金の満額(年額) | 令和3年780,900円→ 令和4年777,800円 |
子の加算額(2人目まで年額) | 令和3年224,700円→ 令和4年223,800円 |
国民年金保険料(月額) | 令和3年16,610円→ 令和4年16,590円 |
国民年金手帳 | 国民年金手帳→基礎年金番号通知書 |
年金生活者支援給付金の支給金額(月額) | 令和3年5,030円→ 令和4年5,020円 |
児童扶養手当(第1子月額) | 令和3年43,160円→ 令和4年43,070円 |
老齢年金の繰下げの上限年齢 | 70歳→75歳 |
老齢年金の繰上げの減額率 | 0.5%→0.4% |
確定拠出年金の受給開始の上限 | 70歳→75歳 |
在職老齢年金60歳~65歳未満の人の支給停止基準額 | 28万円→47万円 |
加給年金 | 老齢年金が全額停止のとき支給→老齢年金の支給状態に関わらず支給停止 |
出産育児一時金 | 404,000→408,000円 |
育児・介護休業法 | 育児休業を取得しやすい雇用環境の整備の義務化 妊娠・出産の申し出をした労働者の個別周知・意向確認の義務化 |
傷病手当金の支給期間 | 支給開始から起算して最長1年6ヶ月→通算1年6ヶ月 |
教育一般貸付の返済期間 | 15年→18年 |
成人年齢の変更 | 20歳→18歳 |
市場区分の見直し | 東証一部・東証二部・ジャスダック・マザーズ→プライム・スタンダード・グロース市場 |
会社法改正点(2022年9月) | 株主総会資料は、書面で交付→ウェブサイトで電子提供 |
宅建業法の改正点(2022年5月) | 35条書面などの交付・宅建士の押印→35条書面などの交付不要・宅建士の押印廃止 |
住宅ローン控除 | 合計所得 3,000万円→2,000万円 控除率 1%→0.7% |
直系尊属からの住宅資金の贈与額の非課税限度額 | 省エネ・耐震・バリアフリー1,500万→1,000万円 上記以外1,000万円→500万円 |
個人情報保護法 | 個人情報が漏えいした場合、委員会への報告と本人への通知を義務化ほか |
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後期高齢者の医療費の窓口負担割合の見直し(2022年10月)
1割→2割
令和4年10月から、75歳以上の高齢者で、一定以上の所得がある方の窓口負担割合が、1割から2割変わりました。
現役並み所得者を除きます。(3割のまま変更なし)
一定以上の所得とは、
課税所得が28万円以上かつ「年金収入+その他の合計所得金額」が単身世帯の場合は200万円以上、複数世帯の場合は、合計320万円以上の方です。
育児休業等期間中の社会保険料免除要件(2022年10月)
14日以上の育児休業等を取得した場合、当該月の月額保険料が免除
育児休業等を開始した日の属する月内に、14日以上の育児休業等を取得した場合、当該月の月額保険料が免除になりました。
育児休業制度(2022年10月)
分割取得×→分割取得〇(2回まで可)
法改正により、育児休業の分割取得が可能になりました。
対象期間は、原則、子が1歳(最長2歳)まで、申出期間は、1ヶ月前までです。
育児休業の分割取得は2回までで、それぞれ申出が必要になります。
産後パパ育休(2022年10月)
育休とは別に取得可
産後パパ育休制度が始まりました。
対象期間 | 子の出生後8週間以内 |
取得期間 | 4週間まで |
申出期間 | 原則2週間前まで |
取得回数 | 分割して2回 |
産後パパ育休は、育休とは別に取得可能で、分割して2回取得できます。
また、育休とは違い休業中の就業も可能。
労使協定を締結している場合に限り、労働者が合意した範囲で休業中に就業
することができます。
短時間労働者の適用拡大(2022年10月)
適用事業所の被保険者数501人以上→101人以上
短時間労働者の企業規模要件の見直しにより、適用事業所の厚生年金保険の被保険者数が、501人以上から、101人以上になりました。
2022年10月から、101人以上の事業所で働く短時間労働者は、健康保険・厚生年金保険の適用対象になります。
令和4年老齢基礎年金の満額
令和3年780,900円
→令和4年777,800円
老齢基礎年金の満額が、令和3年の780,900円から0.4%引き下げられ、令和4年は777,800円になりました。
子の加算額(2人目まで)
令和3年224,700円→
令和4年223,800円
子の加算額(2人目まで)も同様に引き下げられ、令和4年は223,800円です。
もらえる年金額が年々減少していますね。
国民年金保険料(月額)
令和3年16,610円→
令和4年16,590円
1ヶ月当たりの国民年金保険料は、令和3年の16,610円から20円引き下げられ、令和4年は16,590円です。
国民年金手帳
国民年金手帳→基礎年金番号通知書
令和4年4月1日以降に、国民年金制度または被用者年金制度に初めて加入する場合、国民年金手帳から基礎年金番号通知書になります。
年金生活者支援給付金の支給金額
令和3年5,030円
→令和4年5,020円
年金生活者支援給付金の支給金額が、令和3年の5,030円から0.2%引き下げられ、令和4年は5,020円になりました。
児童扶養手当(第1子月額)
令和3年43,160円→
令和4年43,070円
母子家庭・父子家庭などに給付される児童扶養手当は、令和3年の43,160円から0.2%引き下げられ、令和4年は43,070円になりました。
老齢年金の繰下げの上限年齢
70歳→75歳
老齢年金の繰下げの年齢の上限が、70歳→75歳に引き上げられました。
繰上げの増額率(最大)
この引き上げによって、繰下げできる年数が5年→10年になり、
繰下げの増額率(最大) 0.7%×12ヶ月×10年=最大84%増額
法改正前は、0.7%×12ヶ月×5年=最大42%でしたね。繰下げの増額率は2倍になりました。
老齢年金の繰上げの減額率
0.5%→0.4%
老齢年金の繰上げの減額率が、1月につき0.5%から0.4%に引き下げられました。
これにより、60歳に繰上げた場合の減額率は、0.4%×12ヶ月×5年=24%です。
法改正前は、0.5%×12ヶ月×5年=30%でした。
確定拠出年金の受給開始の上限
受給開始上限 70歳→75歳
老齢基礎年金の繰下げの年齢の引き上げにより、確定拠出年金の受給開始の上限も、70歳→75歳に変更になりました。
在職老齢年金60歳~65歳未満の人の支給停止基準額
支給停止基準額 28万円→47万円
今まで60歳~65歳未満の人は、在職老齢年金の支給停止基準額が28万円でした。
法改正により、支給停止基準額は65歳~69歳未満の人と同じ、47万円になりました。
同じ金額になったので覚えやすいですね。
加給年金
老齢年金が全額停止のとき支給→老齢年金の支給状態に関わらず支給停止
法改正前は、配偶者の老齢年金が全額停止のときも加給年金は支給されていました。
4月の法改正で、配偶者の老齢年金の支給状態に関わらず支給停止になります。
出産育児一時金
404,000→408,000円
産科医療補償制度の対象外となる出産の場合、令和3年12月31日以前の出産は404,000円でした。
令和4年1月1日からは、408,000円の出産育児一時金が支給されます。
育児・介護休業法
- 育児休業を取得しやすい雇用環境整備の義務化
- 妊娠・出産の申し出をした労働者の個別の周知・意向確認の義務化
令和3年6月に育児・介護休業法が改正され、令和4年4月1日から段階的に施行されます。
傷病手当金の支給期間
支給開始から起算して最長1年6ヶ月→通算1年6ヶ月
今まで傷病手当金の支給期間は、支給開始から起算して最長1年6ヶ月でした。
法改正により通算して1年6ヶ月まで支給できるようになりました。
教育一般貸付の返済期間
15年→18年
教育一般貸付の返済期間は、母子家庭を除き今まで最長15年でしたが、法改正で最長18年になりました。
成人年齢の変更
20歳→18歳
成人年齢が、20歳から18歳に引き下げられました。
成人年齢が引き下げられたことにより、男女ともに結婚は18歳からになりました。
ちなみに法改正前の女性の結婚年齢は16歳です。
18歳から利用できること(一部抜粋)
- 国家資格の取得
- NISA・つみたてNISA(2023年1月~)
- クレジットカードなど様々な契約
- 相続時精算課税制度
- 相続税未成年者控除
- 直系尊属からの贈与特定税率
- 結婚・子育て資金の一括贈与
- 住宅資金の一括贈与
18歳でもできないこと(一部抜粋)
- 飲酒
- 喫煙
- ギャンブル
- 大型・中型自動車免許の取得
市場区分の見直し
東証一部・東証二部・ジャスダック・マザーズ→プライム・スタンダード・グロース市場
東京証券取引所は、市場区分の見直しを行い、東証一部・東証二部・ジャスダック・マザーズの4つの市場から、プライム市場・スタンダード市場・グロース市場の3つの市場になりました。
市場区分の見直しに伴い、株価指標も変更されました。
会社法改正点(2022年9月)
株主総会資料は、書面で交付→ウェブサイトで電子提供
これまで株主総会資料は、書面で交付されていました。
法改正で2023年3月以降の株主総会より、株主総会資料は電子化され原則ウェブサイトで確認するようになります。
なお手続きをすれば、これまで通り書面での交付が可能。
宅建業法の改正点(2022年5月~)
35条書面などの交付・宅建士の押印→35条書面などの交付不要・宅建士の押印廃止
法の施行日は、5月ですが一応載せておきますね。
法改正により、35条書面(重要事項説明書)と37条書面への宅建士の押印が不要になりました。記名のみでOK。
※34条書面(媒介契約書)は、引き続き記名押印が必要です。
また、35条書面(重要事項説明書)・37条書面・34条書面(媒介契約書)などの交付が不要になり、書面の電子化が可能になりました。
※ただし依頼者の承諾が必要です。
住宅ローン控除
合計所得 3,000万円→2,000万円
控除率 1%→0.7%
住宅ローン控除を受ける人の合計所得が、3,000万円から2,000万円に引き下げられました。
また住宅ローンの控除率も、1%から0.7%に引き下げられました。
今まではローンの金利より控除額の方が多かったので仕方ないですね。
直系尊属からの住宅資金の贈与額の非課税限度額
【2022年1月1日~2023年12月31日まで】
省エネ・耐震・バリアフリー住宅
1,500万円→1,000万円
上記以外の住宅
1,000万円→500万円
直系尊属からの住宅資金の贈与額の非課税限度額も変更になります。
省エネ・耐震・バリアフリー住宅は、1,500万円→1,000万円に、
上記以外の住宅は、1,000万円→500万円に変更。
非課税の対象の契約日は、2022年1月1日~2023年12月31日まで。
個人情報保護法(2022年4月1日施行)
- 個人情報が漏えいした場合、委員会への報告と本人への通知を義務化
- 6ヶ月以内に消去する個人情報も保護の対象に
改正点が多いので、以下のページからご確認ください。
>合わせて読みたい主婦がFP3級とFP2級に独学で合格する勉強のコツ!
まとめ
2022年9月のFP3級とFP2級を受験する人向けに、2022年の法改正点を紹介しました。
試験には必ずと言っていいほど、法改正が出題されます。
法改正の勉強をしていないと、問題が解けないので事前に対策が必要です。
FP3級とFP2級の試験を受験する人は、今回の記事を参考に、法改正の勉強をしてみて下さいね。