2023年度の与党税制改正大綱が決まりましたね。
防衛費強化のための法人税やたばこ税の見直しのほか、富裕層への課税強化、NISA制度の見直しなど。
その中で投資家の人にとって1番のニュースと言えば、現行のNISAの制度が大きく変わること。
NISAは、正式には少額投資非課税制度と言って、2014年から始まった投資家への税制優遇制度です。
そのNISAの制度が2024年から見直されることに。
政府が目指している、「貯蓄から投資へ」の流れを加速するため、(NISAニーサ)少額投資非課税制度の拡充が決定しました。
法改正の大まかな内容は、こちらです。
- 非課税期間の無期限化
- 口座開設期間の恒久化
現行のNISAの場合、つみたてNISAは非課税期間が最長40年、一般NISAは最長5年です。
新制度になると、NISAの非課税期間がどちらも無期限になります。
つまり、株式の保有期間に縛りがなくなるので、長期で資産を形成できるメリットが。
さらに、NISAの口座開設期間がつみたてNISAは2042年まで、一般NISAは2028年までと定められていますが、それが恒久化されることに。
これから投資を始めたい人や投資家の人にとって大きなニュースですね。
2024年から大きく変わる、NISAの新制度や現行のNISAについて紹介します。
NISAとは?NISAの見直しで制度はどう変わるの?2024年から非課税期間が無期限に!
主な変更点はこちら。
現行のNISAと新制度のNISAの違いは?
つみたてNISA(現行→新制度) | 一般NISA(現行→新制度) | |
---|---|---|
1年間の投資上限額 | 40万円→120万円 | 120万円→240万円 |
生涯の非課税の限度額 | 800万円→一般NISAと合わせて1,800万円 | 600万円→つみたてNISAと合わせて1,800万円(一般は1,200万まで) |
非課税期間 | 20年→無期限 | 5年→無期限 |
口座開設期間 | 2042年→恒久化 | 2028年→恒久化 |
NISAの適用範囲が大幅拡大 投資限度1800万円、恒久的制度に(朝日新聞デジタル) – Yahoo!ニュース
現在は、つみたてNISAも一般NISAも、1年間の投資上限額や生涯の非課税限度額が決まっています。
つみたてNISAは、現行の制度だと40万円ですが、新制度は120万円に。
一般NISAは、現行の制度だと120万円ですが、新制度は240万円に投資できる金額が増額されます。
さらに、非課税期間も今はつみたてNISAの場合20年、一般NISAの場合5年と非課税の適用期間が決まっていますが、新制度は無期限になります。
つまり、株の売却時期が自由になるので、含み益になってから売るということが可能です。
今回の税制改正は、政府が目指している、「貯蓄から投資へ」の流れを加速するのが狙い。
これからは、投資が当たり前の時代になりそうですね。
NISA(少額投資非課税制度)とは
NISAは、2014年1月に始まった、個人投資家への税制優遇制度です。
株式を売却したり配当金を受け取った場合、通常だと約20%の税金がかかります。
だけど、NISAを利用すれば税金は非課税です。
NISAには、一般NISAとつみたてNISAの2種類があります。
厳密に言うと、他にも20歳未満の人が利用できるジュニアNISAがありますが、ここでは省略します。
一般NISAとつみたてNISAの違いは何?
つみたてNISA | 一般NISA | |
---|---|---|
投資対象 | 投資信託 | 上場株式・ETFなど |
年間の非課税枠 | 40万円 | 120万円 |
非課税保有期間 | 20年間 | 5年間 |
一般NISAとつみたてNISAの明確な違いは、簡単に言えば投資対象が違います。
一般NISAは上場株式が投資対象ですが、つみたてNISAの場合、長期積立てに適した一定の投資信託のみが対象です。
個別銘柄に投資して株主優待品をもらいたい場合は、一般NISAを選べばOK。
一般NISAとつみたてNISAは併用不可。年単位で、つみたてNISAか一般NISAのどちらかを選択適用できます。
まとめ
現行のNISAは、縛りが多くてあまりメリットがありませんが、新制度になるとメリットばかり。
とくに非課税期間の無期限化がメリット大です。
投資家の人にとって株式の売却時や配当金にかかる約20%の税金は、資産形成にかなりマイナスだけど、NISAを利用することで税金がかかりません。
ただネックだったのが、NISAの非課税期間が決まっていることでした。
非課税期間が無期限になることで、長期間非課税を享受できるようになります。
NISAの制度がシンプルで分かりやすくなり、投資の流れが加速しそうですね。