宅建に興味があります。宅建士はどんな資格ですか?
かんたんに言うと、宅建士は不動産取引に欠かせない国家資格です。
宅建士は、主婦に人気が高いですよね。宅建士を取ると、就職に有利だったり、不動産の知識が身に付いたり、メリットがあります。
主婦に人気の国家資格である、宅地建物取引士(宅建士)とはどんな資格なのか、
過去の合格率、試験の概要、資格をとるメリットやデメリットを紹介します。
宅地建物取引士(宅建士)とはどんな資格?
宅建士は毎年20万人の人が受験する国家資格
宅地建物取引士とは、「宅建」、「宅建士」の正式名称で、不動産取引の専門家
宅建の試験は、毎年約20万人の人が受験する人気の国家資格で、年齢や学歴に関係なく、誰でも受験できます。
受験者は、学生から主婦、社会人まで幅広い人が受験。
合格率は、毎年平均して約15%~17%前後です。
合格点は毎年異なり、上位15%から17%の人が合格できます。
宅建の試験に合格しただけでは宅建士になれない!?
宅建の試験に合格しただけでは宅建士にはなれません。
履歴書に書く際も、「宅建士合格者」になります。
合格したあとに登録実務講習を受け、都道府県知事から取引士証の交付を受けて、ようやく宅建士と認められます。
宅建の合格は一生有効なので、すぐに仕事をしない場合は、宅建士の登録や取引士証の交付は基本的には不要
過去の宅建の合格率はどのくらい?
年 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 | 合格点 |
2010 | 186,542 | 28,311 | 15.2% | 36点 |
2011 | 188.572 | 30,391 | 16.1% | 36点 |
2012 | 191,169 | 32,000 | 16.7% | 36点 |
2013 | 186,304 | 28,470 | 15.3% | 33点 |
2014 | 192,029 | 33,670 | 17.5% | 32点 |
2015 | 194,926 | 30,028 | 15.4% | 31点 |
2016 | 198,375 | 30,589 | 15.4% | 35点 |
2017 | 209,354 | 32,644 | 15.6% | 35点 |
2018 | 213,993 | 33,360 | 15.6% | 37点 |
2019 | 220,797 | 37,481 | 17% | 35点 |
2020.10 | 168,989 | 29,728 | 17.6% | 38点 |
2020.12 | 35,261 | 4,610 | 13.1% | 36点 |
最新2021年10月の宅建士の試験の概要・合格率
受験者数 | 209,749人 |
合格者数 | 37,579人 |
合格率 | 17.9% |
合格点 | 34点 |
宅地建物取引士(宅建士)になるまで
- 宅建の試験に合格
- 2年以上の実務経験または登録実務講習を受ける
- 宅建士の登録申請
- 宅建士証交付
宅建士になるためには、試験に合格した後、宅建士の登録と宅建士証の交付が必要です。
宅建士になるには、2年以上の実務経験または登録実務講習を受講する
宅建士の登録には、2年以上の実務経験が必要です。
ただし実務経験がなくても登録実務講習を受講し、かんたんな試験に合格すれば登録を受けることができます。
登録実務講習を終えて要件を満たしたら、都道府県知事に宅建士登録の申請書を提出します。
都道府県知事から宅建士証の交付を受けて、ようやく宅建士として仕事ができるようになります。
※通常なら宅建士証の交付を受ける前に法定講習を受ける必要がありますが、試験に合格後、1年以内に申請すれば法廷講習は不要です。
法定講習は、登録実務講習とは別の講習です。
宅建士の免許証の有効期限は5年で、運転免許証のように免許の更新のたびに講習を受ける必要があります。
宅建士でないとできないこと
- 重要事項(35条)の説明
- 重要事項(35条)の書面への記名押印
- 契約書面(37条)への記名押印
不動産にはトラブルがつきものです。
そのため、専門的な知識を持つ取引士が上記の3つの業務を行います。
宅建士の人だけができる業務です。
重要事項(35条)の説明
重要事項(35条)とは、不動産取引の契約前に行う、重要なことが記載された書面です。
不動産取引のトラブルを防ぐために、あらかじめ契約する前に取引に重要な説明を行います。
説明内容の一部を紹介すると、登記関係のこと、契約の解除のこと、未完成物件の場合は完成時の詳しい形状や構造など。
重要事項(35条)の書面への記名押印
重要事項書面(35条)は、契約前の説明に加えて、書面への記名押印が必要です。
契約書面(37条)への記名押印
契約書面(37条)とは、取引が成立したあとに行う、契約内容について重要なことが記載された書面のことです。
37条書面は、説明義務はありませんが、記名押印が必要。
宅地建物取引業(宅建業者)とは
宅地建物取引業(宅建業者)とは、かんたんに言うと不動産売買を行う会社のことです。
- 自ら土地・建物の売買をする
- 交換・売買・交換・貸借の媒介や代理などを行う
宅地建物取引業を営むためには、免許が必要です。
宅建の試験に合格して免許を取得し、事務所の基準を満たせば、すぐに宅建業を始めることができます。
さらに宅建業を行う事務所には、従業員の5名に1名以上の割合で、専任の宅地建物取引士を設置することが義務付けられています。
1人で独立開業する場合は、専任の宅建士を兼ねることができます。
宅建の試験の概要
試験概要
受験資格 | 学歴関係なく誰でも |
申し込み | インターネットか郵送 |
申込期間 | 毎年7月上旬頃 |
受験料 | 7,000円くらい |
試験日 | 毎年10月第3日曜日 13時から15時 |
合格発表 | 毎年12月 |
合格率 | 約15%~約17% |
試験内容
【受験科目】
- 権利関係
- 宅建業法
- 法令上の制限
- 税金・その他
【出題形式】50問4択マークシート方式
【試験時間】2時間
宅建の資格をとるメリット
宅建の資格をとると、就職に有利だったり、キャリアアップを目指せたり色々なメリットがありますよ。
キャリアアップや就職・転職に有利なこと
宅建業を行っている会社は、必ず従業員の5人に1人の割合で宅建士が必要です。
宅建士の活躍の場は幅広く、不動産会社だけでなく銀行や保険会社、不動産管理会社、建設業でも就職可能です。
現在不動産会社に勤めている人は、キャリアアップにもつながり、業務の幅も広がります。資格手当がつくことも。
結婚して仕事を辞めた主婦の社会復帰にも有利な資格です。資格があるだけで、再就職の可能性が高まります。
また不動産取引に必要な35条と37条の記名押印は、宅建士にしかできない独占業務なので、独立開業すれば不動産業を始めることができます。
不動産や法律に詳しくなる
不動産に関して詳しく学ぶため、これからマイホームを購入する人や賃貸物件に住んでいる人に役立ちます。
さら不動産の法律に詳しくなるので、何かトラブルがあったときには法律の知識が役立ちます。
たとえば家を建てるときに必要な、都市計画法、建築基準法、賃貸の法律である借地借家法などを勉強します。
不動産は生活には欠かせないため、さまざまなシーンで生かすことができます。
ダブルライセンスを目指せる
宅建士で勉強した不動産や法律の知識は、あらゆる資格で役に立ちます。
宅建士は、様々な資格と相性が良く、ダブルライセンスを目指すことができます。
宅建と相性がよい資格
- 行政書士
- ファイナンシャルプランナー
- 不動産鑑定士
- 賃貸不動産経営管理士
- 司法書士
宅建の資格をとるデメリット
宅建の試験は、難易度が高く勉強時間が必要です。
勉強にもお金がかかりますが、さらに資格を取得した後も登録などにお金がかかるというデメリットがあります。
難易度が高い
合格率が平均して約15%~17%くらいです。
国家資格の中では、合格率が1桁台の資格と比べると易しい方ですが、それでも難易度が高いです。
100人受けても約17人くらいしか受かりません。
毎回合格点は変わり、受験した人の上位約17%の人が合格します。
試験内容が難しい時は、合格点が低くなり、易しい時は、合格点が高くなります。
合格率は、受験した人のレベルに大きく影響を受けるのが特徴。
宅建は、あと1点が取れずに不合格・・・という厳しい試験です。
なので、1点でも多くとることが合格のカギになります。
試験の範囲が幅広く、落とす試験なので、暗記だけでは受かりません。
とくに権利関係(民法)が難しく、本試験では実際の判例や条文など応用問題が出るので、点数が取りにくい科目です。
お金がかかる
独学で勉強する場合は、一通り最新の教材を購入する必要があります。中古品なら安く購入することもできます。
ただし法改正に対応していない古い教材で勉強すると、試験に対応できません。自分で法改正の内容を調べる必要があります。
独学の教材は、大体2万円くらいあれば一式そろえることができます。
専門学校や通信教材で勉強する場合は、内容や学校によりますが、2万円~20万円くらい。
さらに合格した後、宅建士になるためにお金がかかります。
宅建士になるのにかかるお金
登録実務講習受講料 | 20,000円 |
登録手数料(5年に1度更新) | 37,000円 |
免許証申請手数料 | 4,500円 |
法定講習受講料 | 12,000円 |
登録実務講習と登録手数料は1回のみですが、免許証手数料と法定講習受講料は5年に1度の更新の度にお金が必要です。
まとめ
今回は、人気の国家資格宅地建物取引士について紹介しました。
宅建士は誰でも受験できる試験なので、おすすめの国家資格です。宅建士をとると就職にも有利になります。とっておいて損はない資格の一つです。
宅建士に興味がある人は、ぜひ資格にチャレンジしてみてください。